墨の生産地はさまざまですが、なかでも奈良県は全国一の墨の生産量を誇る伝統的で重要な地域です(詳しくは、奈良製墨協同組合のホームページをご覧下さい)。
その奈良県でも殊に著名な墨の製造メーカーのひとつが古梅園です。
古梅園は1577(天正5)年に創業され、今年2008年は創業430年の節目となります。
それだけ長い歴史があるメーカーですから、ひとくちに「墨」と言っても、いろいろと珍しいものもあります。
めったに製造されることのない甲冑(鎧兜)墨や、正倉院に秘蔵される香木を木型に使用した墨など…。
今回は、古梅園創業430年記念ということで特別に入荷した古墨をご紹介します。
古墨名:天金 金蘭菊(1975年造)
煤材:最高級菜種油煙
サイズ:3丁型(10×33×114mm)
価格:31,500円(税込)
備考:超微粒子の極上菜種油煙から造られた極みの逸品、仮名作品用に最適
古墨名:天金 官双鳳(1975年造)
煤材:最高級菜種油煙
サイズ:1丁半型(9×24×84mm)
価格:15,750円(税込)
備考:超微粒子の極上菜種油煙から造られた極みの逸品、仮名作品用に最適
※「天金(てんきん)」とは、上の写真のように、墨の上部に金箔が貼り付けられている物のことを指します。
古墨名:翰墨林(1972年造)
煤材:最高級菜種油煙(薄青系)
サイズ:2丁型(8×45×68mm)
箱:桐箱
価格:21,000円(税込)
備考:超微粒子の極上菜種油煙に天然本藍を混合して造られた逸品、書画作品用に最適、上品で優美な墨色
古墨名:漢臣(1972年造)
煤材:最高級菜種油煙(薄青系)
サイズ:2丁型(10×45×65mm)
箱:桐箱
価格:21,000円(税込)
備考:超微粒子の極上菜種油煙に天然本藍を混合して造られた逸品、書画作品用に最適、上品で優美な墨色
古墨名:龍翔鳳舞(1970年造)
煤材:最高級菜種油煙(薄青系)
サイズ:2丁型(12×18×96mm)
箱:紙箱
価格:21,000円(税込)
備考:超微粒子の極上菜種油煙に天然本藍を混合して造られた逸品、書画作品用に最適、上品で優美な墨色
古墨名:龍剤(1970年造)
煤材:極上油煙青墨
サイズ:1丁型(8×23×84mm)
箱:紙箱
価格:21,000円(税込)
備考:微粒子油煙で鮮やかな墨色、仮名青墨色
古墨名:南山之寿(1965年造)
煤材:最高級菜種油煙
サイズ:1丁型(8×19×80mm)
箱:桐箱
価格:10,500円(税込)
備考:超微粒子の極上菜種油煙から造られた極みの逸品、仮名作品用に最適
古墨名:古隃麋(こゆび)(1965年造)
煤材:最高級菜種油煙(唐剤)
サイズ:1丁型(8×20×80mm)
箱:桐箱
価格:10,500円(税込)
備考:菜種油煙と稀少な唐膠から造られた和唐墨の逸品、書画共に最適、この稀少な中国製の古膠は「幻の膠」とも呼ばれる中国の文化大革命以前に造られた貴重な原料
古隃麋に使用されている膠(コラーゲン)は備考欄にもあるように大変稀少な物ですが、珍しい膠はほかにもあり、通常の牛の皮などからできた膠を使用する代わりに鹿であったり、あるいは魚であったりします。
また、現在は使用されていませんが、更に珍しいところでは象の膠で墨が造られたことも歴史的にはあります。
古梅園については、「古梅園訪問記」も併せてご覧下さい。
かつての日本家屋では窓を開けきることは少しも珍しいことではなく、そのため迷い込む鳥にいたずらされないよう、掛軸には風に揺れる風帯(ふうたい)を付けたりしたものでした。
また、硯で磨った墨液に風で運ばれてきたホコリやチリが入らないよう、硯に衝立(ついたて)を置いたものですが、これが硯屏(けんびょう)と呼ばれる物です。
硯屏にはさまざまな絵などが描かれ、ふと揮毫の手を休めた折に心を和ませることもありました。
硯屏として使用される素材には陶板など実にさまざまな種類がありますが、写真の硯屏は硯に使用される石材「坑仔岩(こうしがん)」でできた物です。
表面にある眼(がん、円く明るくなっている部分)が月に見立てられ、それを見つめるかのように2匹の鹿が彫刻されています。
裏面には池(磨った墨液を溜めておく窪み)が彫られ、硯屏としてのみならず、硯としても使用することが可能です。
最近はいろいろと物騒で、おちおち窓を開け放つこともままなりませんが、時には思い切って自然と家との境目をあいまいにし、鳥が鳴くのに耳を傾けながら心静かに墨を磨ってみてはいかがでしょうか?
硯屏:136,500円(税込)(幅295mm × 高さ264mm × 奥行き172mm)
ふと揮毫の手を止め何気なく筆を置き、気付いてみれば置いた辺りが墨で汚れてしまっていた…。
夢中で書道をしていると、ときにそうした失敗もしてしまうものです。
でも、少し珍しい素材の筆架(ひっか)があれば、そこに無意識のうちに筆を筆架に置く習慣がつくかもしれません。
写真の筆架は、左が天然の木、右が鹿の角でできた筆架です。
自然の素材のために二つと同じ物がないところも、珍しさの理由のひとつです。
鹿が木立に遊ぶ様を想像しながら、筆を置き一息ついてください。
鹿角筆架:2,730円(税込)(矢立筆は別売り)
天然木筆架:525円(税込)
書を書いていると、電話が掛かってきたり宅急便が来たりして、一時手を止めなくてはならないことがあります。
用事を済ませて再び揮毫しようとすると、つい先程まで使っていた墨を含ませた筆が乾いていた…。
雑多な用事に邪魔をされてなかなか書三昧ともいかない現代では、そうしたことは少しも珍しいことではありません。
そんなときに、筆の乾燥を防ぐのが筆立てです。
筆の近くに置いておき、どうしても筆を休めなければいけないときにサッと筆立てに筆を差しておく。
ただそれだけで、雑務を済ませてから気持ちよく揮毫を再開することができます。
ただし、これはあくまでも一時的に筆の乾燥を防ぐためのものであり、長時間筆を差したままでいると逃げられない湿気によりかえって筆を傷めることがあります。
また、筆を購入時にかぶせてある透明なキャップも同様の理由で筆を傷めることがありますので、長時間の筆の保管用には使用しないで下さい。
5,985円(税込)(3本立て・真鍮製)
注:ガラス製も扱っています。
- 所在地
- 大阪府大阪市中央区難波1丁目6-12(戎橋筋)
- 電話番号
- 06-6211-0721
- 営業時間
- 10:00~20:00
- 定休日
- 毎月第1・第3水曜日
- info@tanseido.jp